8000ヘルツで英語が聞き取れるようになるって?


本屋で怪しい本を見つけて、気になってしまいました。

『奇跡の音(ミラクルリスニング) 8000ヘルツ英語聴覚セラピー』

各言語によって、主要な周波数帯域(パスバンド)が異なり、
日本語は低音域で英語は高音域だから日本人には英語が難しいのだ、とかいう話です。
だから、8000Hz周辺の高音域を集中的に聞いて理解しようとするトレーニングをすると、
英語が聞き取りやすくなるんだとか。

このページにあった絵を拝借。
なぜ低周波音が聞こえるか パスバンド理論

各言語のパスバンド

各言語のパスバンド

日本語と英語(特にイギリス英語)を比べると、
英語の方が高い位置にありますが、
これは、声の高い/低いとは別の話です。
一音ごとに母音のある日本語は低い周波数帯域で音節ごとの区別を行うのに対して、
英語では周波数の高い”t”や”p”単体での発音にも意味があるということです。

これを見て思い出したのが、大学でドイツ語を習った時のことです。

私は、ハリウッド映画を見ると、よく知った表現は聞き取れるのですが、ほとんどの部分は絶望的に「聞き取れる気がしない」です。
ところが、ドイツ語の授業で見た映画は、
もちろん語彙が圧倒的に少ないので英語の映画以上にさっぱりわからないのですが、
音が言葉として聞き取れる感覚があったのです。
英語はがんばってもできるようになる気がしないけれど、ドイツ語はがんばったら何とかなるんじゃないかとその時は思いました。
(がんばっていないので何ともなってませんが)

なので、そういうこともあるのかな、と思ってしまったわけです。
漫然と同じ音声教材を何度も聞くより、「聞き取れていない音」にフォーカスして、それが聞き取れるようになるまで徹底的に聞く、というのは理にかなっている気もします。

ここで、
勢いで本を買ってしまう前に、
手元にある英語教材を加工して実際に試してみようと思います。
最初の数ページしか使っていない教材をこれ以上増やしてはいけません!!

SoundEngine Free を使って低音域を除去する

世の中、フリーの便利なツールがたくさんあるので、大抵のことはできてしまいます。

iTunesにインポートしたCDのデータは、Windowsではミュージックフォルダに保存されているので、これを変換してしまいましょう。

SoundEngine Freeは、wav形式かogg形式のデータしか扱えないので、ミュージックフォルダ内に保存されているm4a形式のデータは、wav形式に変換しておきます。
(音声ファイルの形式変換ツールもフリーで色々あり、変換も簡単にできてしまいます)

SoundEngine Freeの画面

SoundEngine Freeの画面

音声ファイルを読み込むと、こんな感じに表示されます。

SoundEngine Freeでグラフィックイコライザーを選択

SoundEngine Freeでグラフィックイコライザーを選択

音質の、グラフィックイコライザーを選択します。
これ以外の○○イコライザーと書いてあるものでも同じようなことはできます。

各周波数の音量を調節

各周波数の音量を調節

グラフィックイコライザーでは、このように代表となるいくつかの周波数が表示されており、
それぞれについて音量を調節できます。
ここでは、2kHz以下の部分を全て -24dB として、除去しています。
音が小さくなりすぎるので、全体の音量を +12dB としています。

低音域をカットした後

低音域をカットした後

最初のグラフと比べて、波形が小さくなっているのがわかるでしょう。
低音の部分が削られて、音量自体がかなり小さくなっています。

これを聞いてみたところ、かなり聞き取りづらくなりました。
「ツ – ts」などのような擦れた音が目立ちます。
なかなかの不快さです。

ちなみに、2000Hz以下ではなく、4000Hz以下を除去したら、もう全く何を言っているのかわからなくなりました。

初めて聞く文章だと、雑音にしか聞こえず、かなりつらいです。
雑音にしか聞こえないまま聞き続けても多分意味がないので、
これをやるなら、すでに何度も聞いている教材がよいでしょう。

今まで雑音として聞き流していた部分を、脳が言語として認識するまで聞き続けましょう、ということで、
私は続けるかどうかわかりませんが、
やってみた方はぜひ効果・感想をお聞かせください。

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