Mathpixというアプリがすごいです。
手書きの数式を読み込んで、方程式を一瞬で解いてくれます。
これは中学生高校生の宿題がはかどりすぎて困ります。
どんな風に使うの?
例えばこうやって、2次方程式を書いてアプリのカメラ機能で撮影します。
以上です。
え?もう終わり?
っていうくらい、あっさりと結果が出てしまいます。
1次方程式、2次方程式が解けるだけでなく、微分や積分の計算もできてしまいます。
もちろん、三角関数も対数関数も何でもOKです。
例えばこんな計算も。
読み込むと、
この通り。
これは便利。
もし、大学入試がスマホ持ち込み可だったら?
宿題が一瞬で解けるのは確かにそうですが、そもそも普通は問題集の後ろのページを見れば答えが載っているものなので、
「ちゃんと自分で考えてから答えを見ろよ」
っていうのと変わらないわけで、このアプリがあるからと言って、教育上、大した影響はないですね。
ですが、もし、スマホを試験に持ち込んでしまった場合、どうなるでしょうか?
もしかして、簡単に解けてしまう?
ということで、東大の入試問題をこのアプリを使って解いたらどうなるか試してみましょう。
こちらは2016年の東大 前期 理系 数学の問題です。
第1問を見ると、何やら不等式を示せと言っていますね。
よくわからないので、左側の式を読み込んでみましょう。
読み込めました。
Mathpixがすごいのは、このようなxの式を読み込んだ場合、y=f(x)のグラフを表示してくれるところです。
このグラフによると、右肩上がりの単調増加関数になっているように見えます。
x→∞ の極限がeになることは分かっている(というか、問題文に書いてある)ので、このグラフの見た目の通り、「単調増加になっていること」を示せば、左側の不等式は示せたことになります。
そうすると、この関数を微分したくなりますが、Mathpixでは、何も言わなくても微分の計算をしてくれているのです。
なんと気が利くアプリ!
このように、上の「Solver」の方を見ると、微分の計算結果が表示されています。
とりあえず、これを紙に書いてみましょう。
微分が正か負か怪しいのは、波線で示した部分なので、これをf(x)と置いて、調べてみましょう。
f(x)を、Mathpixで読み込みやすいように、離して書いてやります。
このとき、「log」ではなく、「ln」と書くのがポイントです。
Mathpixで「log」と書いてあるのを読み込むと、常用対数(10を底とする対数)と認識してしまうので、自然対数であることを表すために、「ln」と書きましょう。
読み込みます。
読み込めました。
先ほどと同様、微分の計算結果が表示されています。
ちょっと整理されていませんが、「See Steps」を押すと、計算の過程と、整理した結果が表示されます。
xが正のとき、これは負ですね。
x→∞のとき、f(x)→0なので、微分が常に負ということは、x>0で常にf(x)>0ということです。
以上で、問題のうち、左側の不等式が示せました。
続いて、右側の不等式ですが、ほとんど同様です。
読み込み。
グラフ確認。単調減少っぽいので、それを示す方針で行けば良さそう。
微分の確認。
紙に書く。
正か負か怪しい部分をg(x)と置いて読み込み。
x→∞のとき、g(x)→0なので、微分が常に正ということは、x>0で常にg(x)<0ということです。
以上で、右側の不等式も示せました。
後は清書すればOKです。
簡単ですね!
アプリを使えば誰でも解けるというわけではなくて、アプリを使ったら解ける人はアプリがなくても解ける人な気はしますが、とりあえず、とても便利なことはわかりました。
試験会場でこんな風にカメラの音をカシャカシャ響かせていたら即刻退場ですが、社会に出れば、日常生活で遭遇するこういった問題をどんな方法で解決するのも自由なので、電卓と同じように上手に活用したいところです。
2016年5月22日時点のバージョンの注意事項
このアプリ、日本語に対応していないようで、iPhoneの言語設定が日本語の状態で使うと、メニューが文字化けして表示されてしまいます。
設定で表示言語を英語にして使うと、問題なく使うことができます。
多分、そのうちバージョンアップで修正されると思います。